キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

なぜコンサルタントを目指したのか

 世の中にはたくさんのコンサルタントがいます。コンサルタントにとっては、経験や実績が一番重要ですが、その人の価値観や考え方、歩んできた道を知ってもらうことも大切だと思います。

 

なぜなら、同じテーマのコンサルティングを受けても、その人の持つ特性や価値観、考え方がクライアントとの相性に影響し、結果が違ってくるからです。そこで、今日は私がなぜコンサルタントを目指したのか、考えの変化や決断のタイミングで感じたことを振り返りながら、私のこれまでの歩んだ道をお伝えしたいと思います。

 

私は、父母、祖父母と5人で暮らしていました。兄弟姉妹はいません。父は医療系販売小売りのサラリーマン、母は看護師でした。母は、私が小学校に入学するまで、大病院の手術室に勤務しており、当直もこなすバリバリのキャリアウーマンでした。

 

私は3歳の時、胃捻転という病気で緊急手術が必要になり、母の病院で手術・入院をしました。その時、初めて働く母の姿を間近でみました。はっきりとした映像は記憶していないのですが、その時、“人の命を預かる仕事は尊い”、私も大きくなったら、人を助ける仕事、世の中に貢献できる仕事がしたいという想いを抱きました。

 

この想いを持ったまま大きくなったら、きっと今頃、看護師か医療関係の職についていたかもしれません。しかし、それとは別に、3歳の頃から英語劇の活動に参画していました。小さい頃から海外への憧れがありました。

 

小学校に入って、日本全国から集まる野外キャンプや外国人と接する機会も増えました。自分とは違う国や文化で育った人との交流が楽しく、中学では1カ月間米国へホームスティをする機会に恵まれました。

 

そして、中学になると真剣に将来はどの方向に進むか考える毎日でした。思えば、その頃から“仕事をする”ということに対して、強い期待と希望を持っていたのだと思います。仕事とは、家計のためにする現金稼ぎではなく、私にとっては、何のために生まれてきたのか、生きる使命そのものでした。

 

その頃、海外で働く人の特集をよく見ていた私は、国連難民高等弁護官の緒方貞子さんのインタビューが目に留まりました。自分の任務が何たるかを自分の頭で考え、本当に必要なことを見極め、人道支援を決断した姿に感銘を受けました。命を救うのは、医者や看護師など医療関係者だけではない。社会という大きな枠組みで見た時には、貢献できることがもっとあると悟ったのです。

緒方貞子さんの功績)出所:国連難民高等弁務官事務所_日本ホームページ  

https://www.unhcr.org/jp/sadako_ogata

 

中学で世の中は広いということを知った私は、高校でアメリカの普通高校に一年通うことにしました。そこで目の当たりにしたアジア人差別。戦争云々ではなく、米国の田園地域や普通の家庭では日本は遠い国なんだなと感じました。その一方で、日本文化や日本のものづくりの良さも改めて感じ、日本を起点に日本のために海外とかかわる仕事がしたいと思うようになりました。

 

そして選んだ道が、物流・貿易のスペシャリストです。大学で経営学、そしてゼミではSCMの事例研究をしていたこともあり、民間企業に勤めることしました。入社して、第一印象は、売上・利益の話ばかりだなということでした。資本主義だし、株式会社だし、稼ぎは大切なんだろうけれど、いくら稼いだかだけが評価というのはどうなのだろうと正直違和感を抱きました。

 

その時、縁があり部長をされていた方が、こんな話をしてくれました。「仕事は問題解決だから。問題とは現状と理想のギャップ。理想に近づくために届きそうだけれど、チャレンジできる目標を持つといいよ」私にとっては目から鱗でした。

 

「仕事は問題解決」

 

そうか、母の仕事も、緒方さんの仕事も、稼ぎ稼ぎと言われている自分の仕事も必ず、誰からの何かの問題を解決しているんだ!誰かの役に立っているんだ。味方が違うだけ。塵も積もれば山とやる。命を預かること、大きく世の中を動かすことだけが、仕事ではない。どんなに大きな組織の仕事でも、何の問題も解決せず、放置したままにすればそれは仕事をしたことにはならないんだ!ということに気づきました。

 

その日から仕事がキラキラ輝いて見えるようになりました。それから、改善の余地がありそうだ、提案できそうだということについては、できるだけ問題解決のプロセスに沿って考え、上司に伝えるようにしました。そのおかげで、在籍4年の間に社内システムエンジニア、通関業務の改善、海外倉庫の改善と複数の職場で改善提案や新規プロジェクトを経験することができました。

 

改めて、26歳になった時、自分はこれからどう生きていくのかを考えてみました。

「問題解決を専門にする職業につきたい」

「今世の中を豊かにしているのは、間違いなく企業の力が大きく、組織の問題はとても重要で、社会問題の解決にもつながる」

 

問題解決×企業×組織×社会貢献・・・とキーワードを掛け合わせていくと、

経営コンサルタントになろう!”

自然にそういう気持ちになりました。

 

26歳夏の決断でした。

コンサルタントの仕事は必ずしも正解がある世界ではありません。

だからこそ、問題解決や創意工夫の質が問われるのだと思います。だからずっと成長できるし、終わりはないのです。

これからも、もっと勉強して、仕事の質を上げていきたいと思います。