キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

社員に響く方針展開の取り組み方

 今日は年度の方針展開について、”いかに社員の皆様に理解してもらうか”というお話をさせていただきます。社長ご自身が話された3年後に実現したい会社の方針目標が、社員にどこまで伝わっているのだろうか?と不安になることは、ありませんか。

 

 以前、ある社長様とお話させて頂いていた際に、「全社方針を受けて、各部門の年度の方針目標を策定するように伝えたが、書かれている目標が前年度とほぼ同じで、3年後に本当に実現できるのか、不安になった」という話を伺いました。「社長である自分の課題認識を同じ熱量を持って感じてほしいし、もっと危機感や使命感をもって取り組んでほしい」とおっしゃっていました。

 

 その社長様のお話をさらに伺うと、こんなお気持ちを吐露されました。「自分の方針発表を受け、期日までに部門方針書を提出してもらっているが、そこに彼らなりの問題提起や課題認識が書かれていない。やるべき施策、例えば“不具合の再発防止に向けた品質管理の強化”といったスローガンと具体的な計画行動の概要が書かれているだけである。」

 

 「これで本当にお客様に満足してもらえるものづくりができるのか?信頼を高めるパフォーマンスが出せるのか?と考えるととても「できる」と感じられない。方針書提出のフォーマットや段取りを統一したことは良いが、中身まで形骸化しているように感じる。」

 

 仕組みが定着してくると、

 どうしても形骸化してしまうのは仕方がないことなのでしょうか?

 

 私は、「そんなことはない」と思っています。

 伝え方と伝える段取り・場づくりで部門リーダーの心に火をつけることが可能です。

 

 定量的な財務目標と具体的な施策の2つがあれば、「方針」としては成立します。どこを目指すのか、そのために何をするのかの2点ですね。ですが、それだけでは、社員からみると、「それは社長のやりたいことですよね。」と捉えられ、心を動かされにくいのです。

 

 ではどうすると良いのか?考えられる着眼点は2つあります。

①説明する方針に“社会的観点から変化すべき必要性”が表現されていること

②“当事者意識を持つ仕掛け”があること

 

「社会的観点から変化すべき必要性」とはどのようなことを指すのでしょうか。例えば次のようなことが挙げられます。

・業界の動きをみると、この収益目標を達成しなければ、自分たちの今の会社の規模では存続できず吸収されるかもしれない。皆が働く場である、大切な会社がなくなってしまうかもしれない。だから守るためにこの目標・課題をクリアする必要がある

・自分たちが行っている仕事は、本来こんなにも人を喜ばせたり、助けたりすることができているが、価値あるパフォーマンスが発揮できていないから、顧客離れが進み収益の大きく影響している。本来の力を発揮するためにもこの目標・課題をクリアする必要がある

・今そしてこれからの社会にとって、自分たちがこんな強みを持っているからこそ、役立てることがある。自分たちは〇〇という価値を発揮する企業として、社会的に〇〇をする責任がある。だからこの目標・課題はクリアしなければならない。

 

 この観点は、社長の個人的な拡大思想に留まるものではなく、その会社が社会性をもって存在する意義を説明するものです。実際に顧問先の会社の方針発表に立ち会うと、この変化の必要性について、どれだけ熱量を持って、丁寧に説明しているかが、その後のリーダーたちの部門目標に向かう真剣さに影響することを肌で感じてきました。社長の社会的存在意義に対する熱量が、社員の“やらねば”“何とかしよう”という感情を引き出すのだと思います。

 

 これが一つ目です。

 

 そして、二つ目、“当事者意識を持つ仕掛け”があること。社長の言葉は、聞いている社員にとってはどこまでいっても第三者の声です。自分で見て考えた末に出てきた言葉ではないのです。

 

 会社の未来を担う部門リーダーには、自分で捉えて自分で考え、仲間と対話を通して方向性をまとめ言葉にすることを自ら経験することで、社長の方針への理解やその重みを感じることができます。また、部門リーダー自身が対話を重ねてまとめたからこそ、職場に展開する時も時間をかけるでしょうし、そこでの部下との対話も大切に感じられます。

 

 では、自らの心に沸き上がった言葉にするためには、事業を取り巻く過去・現在・未来の変化を見て、取り組む必要性を心で感じ取ることが大切です。どの会社でも多かれ少なかれ現状分析をして、方針目標やその課題テーマを決めていると思いますが、分析の視点では評価者として問題点や課題を洗い出すことに留まりがちです。

 

 そこで、顧客から見えていること・感じていること、未来に生きる自分が見ている世界、社内の別の部門が捉えている目線。こういう異なる目線からその人々の考えていること、感情を想像することで、自分たちがなすべきことを見つけていきます。

 

 実際に、違う立ち位置にいる人、時間的空間の違う世界にいる自分の捉えた言葉を書き出すこと、それを掛け合いで再現することによって、本当にその人やその時代にいる感覚をもって物事を捉えることができます。実際にロールプレイングを活用して、異なる視座・視点の人を演じることで、本質的な課題が浮き彫りになり、本当にこれは何とかしなくてはという気持ちになります。

 

 形骸化しない生きた言葉として展開できる方針の取り組みポイントはご理解いただいたでしょうか。では、具体的に、どうやって取り組めばよいの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 そう思われた方に、「変化の必要性発見のワークシート」をご準備しました。質問にお答えいただくと未来に向けて本当に何が必要なのかが、見えてくるワークシートです。

 

 そして、②の“「当事者意識を持つ仕掛け”があること」については、「部門リーダー協働の方針ミーテイングの進め方」について、個別レクチャーをさせて頂きます。

 

 ご興味を持たれた方は、以下までご連絡ください!

 

 お問い合わせはコチラ👇

 otsubo@cosmos.gr.jp

(㈱コスモスコンサルティング 大坪加奈子宛)

 ◆件名:「220809ブログ問い合わせ」とお書きください

 ◆会社名・役職・ご芳名をお書きください

 ◆「変化の必要性発見のワークシート」または個別レクチャー希望とお書きください

 

 ※ご不明な場合も、otsubo@cosmos.gr.jpまでご連絡をお願いいたします