キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

コストダウンより大切なこと

 いよいよゴールデンウィーク突入ですね!こんなにSTAY HOMEのGWは後にも先にも今年だけでしょう。でも、もしかしたら、家族でゆっくり家で過ごす楽しさを体感し、お家遊びもゴールデンウィークの楽しみ方の一つになるかもしれません。

 

 さて、多くの企業では、コロナ禍を影響を受けて受注変動が激しさを増しているのではないでしょうか。他の天災と異なり、その地域の経済が全滅というわけではなく、受注が増加している企業もあるということです。

 

 需要がなくなったわけではなく、シフトしているといった方が正しいかもしれません。ですから、どこに行っても仕事がない!という状況ではないというのは不幸中の幸いさと思います。

 

 飲食やイベント業界等は、とにかく数か月先までの資金繰りが一番大きな課題で、一旦休業して補助金や融資をもらいながらでも、キャッシュを蓄えることが重要でしょう。一方で、直近の資金繰りには大きな影響はないものの、受注減などで利益が減少傾向にある企業は多いですね。

 

 一般的に、外部要因よりも内部要因のものに着手したほうが、結果が早く出る、やりやすいということが言われており、収益減少下では、コストダウンに取り組むケースが多いです。しかし、人件費を完全に切らないコストダウンはなかなか難しいのが現状です。日本の多くの企業がパートやアルバイトも含めて、社員と同じように働いている場合が多く、完全に変動費扱いにはできないからです。

 

 また、人件費カットは会社に対する評価や評判にも大きく影響し、組織体力も奪います。一人雇うために数百万円かかりますから、事業が大変な時ほど、人材を生かす戦略をとった方が中長期的には経営に良い影響を与えます。

 

では、どうすればいいか?

 

とにかく「稼働率をいかに上げるかを懸命に考え行動すること」です。

 

稼働率を上げるということには複数の行動側面があります。

・需要が高まっている領域をかぎ分けること

・需要が高まっている顧客へのアプローチを試みること

・受注減少の要因をとらえ、そこに対する体力を抑えること

・生産ラインの転用を考えること

 

平時の場合は、稼働率を上げるためには、段取りなどムダの改善を通して余力を作ることが最優先ですが、非常時には、とにかく狩りをすることが重要です。

 

これまで主力としていた顧客のいる業界以外に需要がある時があります。平時であれば、つきあいのある業界の情報収集をメインに行っているかもしれませんが、今は、より幅広く、ニュースを捉えて、どのような用途のモノが出そうかを想定する想像力が求められます。

 

仮説を立てる力。それを検証していくための行動力が必要です。仮説を立てるためには、「情報収集を通して現状を知ること」と「妄想すること」です。情報収集は、いつも接点を持っている現場担当者からの情報だけでなく、社長のインタビュー記事やプレスリリースの中身、有価証券報告書の事業動向、セグメント別財務情報も参考になります。

 

様々な粒度の情報を拾ってきて、事業としてどうなりそうか、商機がありそうかを考えることです。そして、きっとこれが必要ではないか?こんなことは望まれるのではないか?そんなことをしたら上手くいくのではないか?と自問自答し、解を探ることです。

 

行動力については、現段階で外に出かけることは難しいですが、現場に行くだけが行動ではないです。電話やメール、オンラインセミナー等で接点を作って、質問したり、投げかけをしてみることも行動の一つです。

 

仮説と行動力を持って、需要を捉えること。そして、実際に稼働率を高めるためには、供給可能な体制をチームワークを持って作り出し、物理的に可能な生産環境を作り出すことです。これが次の利益を生む源泉になります。

 

稼働率を高めるためには、一部門の頑張りだけでは実現できません。営業・生産・管理部門、時には協力会社の力も借りて、All in Oneの体制で臨む必要があります。物理的な距離があるからこそ、通信環境を120%活用したコミュニケーションが必須です。

 

あなたの会社はいかがですか?

受注変動にどう向き合っていますか?

今こそ、チームワークを発揮し、

組織一丸となって稼働率を高める動き方をする時ではないでしょうか?