キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

「キラッと光ろう」に込めた想い

 私のブログのタイトルは「キラッと光ろう★組織の力で価値を最大に!」という名称です。これまでの内容を振り返ると直接的にこの内容に触れているテーマは少ないなと反省です。ですから、今日はこの「キラッと光ろう」に込めた想いを書きます。

 

 世の中には過去の事象を考え方に落とし込み理論化したものがたくさんあります。

企業が競争優位性を持ち、お客様をはじめ取引先から選んでいただくのも他社よりも優位な何かがあるからです。

 

 競争優位になるための考え方はいくつかありますが、その中でも①市場シェアから捉えた「競争地位戦略」と②社内のリソースから考える「リソース・ベースト・ビュー戦略」は両極端の戦略と捉えています。

 

 市場シェアの大小によりその市場での立ち位置がきまっていくわけですが、業界の3~4番手あたりまではこの戦略を活用した立ち位置を考えることに意味がありますが、それ以外の会社はほとんど、フォロワーかニッチャーになってしまうため、この考え方はあまり活用できないと考えていました。

 

 一方で、「リソース・ベースト・ビュー戦略」では、顧客にとって価値あるものは何かを考えていきます。この戦略では価値・希少性・模倣困難性・組織の4つの着眼点が出てきますが、私個人は、“経営資源を上手く活用し組織力を最大限生かすことで、市場に価値を発揮し、結果的に顧客にとってパートナー等の取引先にとって希少性が高く、他社が模倣困難な状態になる”戦略と捉えています。

 

 例えば、同じ商品を取り扱う商社を考えてみましょう。取扱商品の多少の違うはあっても、同じ業界にいるA社とB社があるとします。A社は顧客が要望を出すとすぐに回答がきます。こちらから社内の動きについて情報を共有すると、すぐに役立つ情報を提供してくれます。B社は、要望を出しても、「社内で検討して改めて回答します」という返答があったものの中々動いてくれません。売っている商品カテゴリもビジネスモデルもほぼ同じだった場合、どちらを選ぶでしょうか?

 

 特にBtoBの場合は、その取引は相対でありクローズドな状態であることが一般的で、そうなるとその顧客にとっての希少性や他社からみた模倣困難性は組織力(会社による総合的な対応力)によるところが大きくなります。

 

 この「希少性や模倣困難性がある状態をつくる」ことが、「キラッと光ろう★」の意図するところです。その会社が社外に対してキラッと光るところがあれば、それに共感してくれる人が集まりますし、その人たちが集まり、仕事を一緒にすることで、お客様に対してもスペシャルな対応ができるのです。

 

 そのキラッと光るところは、商品サービスとは限りません。うちの社員は皆、この会社をどのように成長させていくか、どうすればもっとお客様に喜ばれるか真剣に考えているし、考えられる仕組みや余力のある環境づくりができているということ、それを社外に積極的に発信していくこともキラッと光る会社づくりの一つです。

 

 何年か前に春日井市にある「株式会社ISOWA」という段ボール製造機械の分野で国内トップブランドの会社様への見学ツアーに参加したのですが、そこでは、製造現場で入社数年の若手社員が各工程を見学する人にしっかりと自分の言葉でプレゼンレーションされていました。

 

 その後、ISOWA社の風土改革の取り組みを実際に関わってこられた社員の方が話されていたのですが、皆さん自分の会社のこれまでの歩みに対して非常に誇りを持っておられるようで大切にされている様子が伝わってきました。

 

 この会社が造っているものは段ボール製造機械ですが、本当の希少性はこの「組織風土にある」ということを強く感じました。よく組織風土づくりは社員のモチベーションを高めたり、離職防止等の施策として考えられたりすることが多いですが、本質的には“事業価値をあげるための必要な活動そのもの”であると感じます。

 

 そして組織風土は見えにくいです。何が問題なのか、どうすればよいのか見えにくいです。ですから氷山でいうと下に隠れてしまいますが、そこに真剣に取り組むことで、事業価値・事業モデルが真に生きてくると思います。

 

 これからの時代は特に多様性がますます進み、特に中堅・中小企業は自分たちの意思でキラッと光る要素を決めて、その点に集中する。そのために組織を整え、そこに共感してくれる取引先をどんどん味方につけて力強い会社にしていくことが大切と思います。私もそのお手伝いが今後も継続できるよう、日々レベルアップを目指します!!