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組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

安定志向を捨てて挑戦する凄さと必要性 ~by 北京オリンピック~

 北京オリンピックも山場を迎えていますね。

 今回もたくさんの挑戦をみて、心を動かされています。今日は、「挑戦をすること」と「結果を出すこと」の2つについて感じたことを書きます。

 

 フィギュアスケートの羽生選手は今回4位でした。一方で、「4回転半のジャンプ」が公式の試合で初認定されました。これまで2度の金メダルに輝き、今回は三連覇が期待されていました。このような状況の中で、自分がやってきたこと、そして更なる高みを目指して挑戦するという選択を選んで挑んだ羽生選手は素晴らしいと感じます。

 

 安定的に結果を出すのではあれば、確実にミスの少ない演技に留めて置き、安定的な結果が出せるようになってから、大舞台で飛んでも良かったはずです。しかし、上手くいくか、確かではないが、数少ない公式の場で挑戦することを選ぶということは相当な覚悟→自分の信念を持っていないとできないことです。

 

 私はこの出来事を聞いた時に、“企業経営におけるあるべき姿”が頭をよぎりました。例えば、たくさんの量を安定的に注文してくれて、自分たちの実力である程度期待品質に到達できる取引先との付き合いがたくさんあるとします。標準化をして数をこなしていけば、目標となる売上・粗利額もとれますし、ある程度の粗利率の水準を継続できるでしょう。

 

 一方で、企業の成長としてはどうでしょうか?よく事業拡大においてはスクラップ&ビルドと言いますが、企業組織も同じです。組織の実力をもう一段上にもっていくためには、「組織を進化」させる必要があります。もう一歩進化させるためには、難易度の高い技術を活用したものづくりに挑戦したり、ある程度失敗をしながらロスを出したりしながらも、トライ&エラーで良いものを作っていく過程が非常に重要になります。

 

 これは、売上や粗利の数値だけを目標をしていてはなかなか達成できないことではないでしょうか。もし、羽生選手が「金メダル獲得による三連覇」のみが目標であったら、現時点で「進化」という意識は生まれたでしょうか。羽生選手は周りがどういっても、自分の技術を進化させることを大切にしたと思いますが、これを実現するためには、強い意思が必要です。

 

 企業は、社員一人の意思がとても強くても、経営者が持つ意思や社員が集まることにより生まれる風土には勝てません。現状の成果に安住することなく、あえて困難に挑戦していく、業界の常識を打ち破る挑戦を率先して行う、こういう覚悟は企業が次のステージにあがるために、業界の全体のレベルを上げるために、経営者が率先して持つマインドではないかと感じます。

 

 利益の安定確保において、目標の利益率・利益率の設定は重要です。ですが、常に新たな技術開発・事業開発に挑戦し、利益率が低くてもそれ以上に組織に蓄積できるもの、中長期で考えたときに進化の先頭にたてる化のせいが少しでもあると感じられれば、羽生選手のような前人未踏の挑戦をしていってほしいと感じます。そして、そういう覚悟を持った経営者の会社を伴走できるように、自分も成長し新しいことに挑戦していく意思をもつことの大切さを羽生選手の姿を見て感じます。

 

 この記事を書いていたら、平野歩夢選手がスノーボードで初めて金メダルを獲得したという速報がありました。凄いことなのですが、何が凄いと感じたか?こちらも、初めての大技に挑戦していること、そして最後に成功させたことです。また、東京オリンピックでスケートボードに出場して、スケートボードの取り組みがスノーボードに活かされているそうです。

 

 「挑戦をすること」と「成果を出すこと」は両方とも重要です。ですが、大きな挑戦をするとき、最初から成果が出ることは少ないです。成果が出ないから、今の実力でできる安定をとり、挑戦しないのは中長期的にはじり貧です。後戻りしても「挑戦すること」。そして、成果が出るまであきらめないこと。あきらめないことは、本人以上に回りの見守りがとっても大切です。

 

「それって成功できるの?市場性あるの?」

 

 新規事業を企画するときによく聞かれる言葉ですが、是非、社長自らが

「よし!挑戦してみよう。失敗しても大丈夫。ノウハウは確実にたまるから」と

挑戦を後押しする文化を醸成してほしいと願います。

 

 オリンピックも残り9日あまり、

 選手の挑戦を自分事として仕事に活かしていこう!!!