キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

離職防止につながる育児ライフライン

 いよいよ新年度がスタートしました。初めて社会に出て働く新入社員の皆さんにとっては、期待とドキドキで胸がいっぱいでしょう。今年度は新型コロナウィルスの影響で、例年とは異なる方法で行われている企業が多いようですが、個別に先輩や上司、経営者が温かく迎えてくれている企業もあり、歓迎のスタイルも様々な形があっていいのではないかと感じています。

 

 さて、4月から仕事を始める人は、他にもたくさんいます。その中には育児や介護で職を離れていた人もいます。保育園の入所時期は大半が4月であるため、育児休暇から復帰する人が多いのもこの時期です。

 

 実は私自身も今週から仕事復帰をしました。子供が1歳で職場復帰をして、保育園生活を5年間続けました。子供が小学校1年に上がるタイミングで一端キャリアの方向を見直すことにしました。仕事そのものだけではなく、仕事と家庭の両立という観点からも振り返りを行いました。

 

 女性活躍推進法が施行されてから、この5年間で企業の女性活躍の取り組み事例はとても増えました。また、女性に限らず、個々人の状況に応じた働き方を選択できる制度の構築が格段に進んだと感じています。

 

 一方で、自身の経験から会社の制度だけでなく、個々人がライフラインを複数持つことの大切さも感じています。私が7年前に職場復帰する時には、保育園と家族しか預け先として確保していませんでした。熱が出たり、病気になって初めて、病児保育を探し預けました。最初から色々なライフラインを調べて登録する、アカウント登録をしておけばもっと安心できたと感じています。

 

 育休復帰時の経験をもとに、今は複数のライフラインを持つようにしています。幸いこの5年間でITを活用したプラットフォームビジネスがかなり普及してきました。全く知らない人に家に来てもらいますが、データベースに個々人のプロフィールや人柄、利用者の評価やコメントが書かれているので、安心して利用することができます。

 

以下に私がライフラインとして登録・活用しているサービスをご紹介します。

<ベビーシッターマッチングサービス>

キッズライン

https://kidsline.me/

Asmama

http://asmama.jp/

<家事代行マッチングサービス>

Casy

https://casy.co.jp/

タスカジ

https://taskaji.jp/

 

 日常使いという観点では経済的に多大なお金がかかりますが、いざという時にはとても便利です。上記のプラットフォーム型サービスの他に、実際にリアルの人材サービスも利用しています。

 

のびのび子育てサポート事業

http://www.kosodate.city.nagoya.jp/kids/nobinobi.html

体育の家庭教師

https://taiiku-sports.com/

 

 小学校に入ると学習のフォローも気になるところですが、平日に働いているとなかなか習い事に連れていけません。そんな時は土曜日にお家にきてもらったり、平日学童からの送り迎えでちょっとだけの時間をお願いすることができます。

 

 個々人のライフラインの持ち方は人それぞれですが、実はこれが就業継続には影響します。育児においては、子供の体調はその時々で変わることも多く、予定が大きく変わるからです。明日、明後日という直近ですぐに子供を見てくれる、家事の負担が増してきた、という時にすぐに使えるライフラインを持っていることで、心に余裕を持って柔軟に対応できます。

 

 さらに、これを会社の中で同じ境遇のママ同士、上司と部下の間で共有されている、必要に応じて経済的支援が受け入れられるということがあれば、より安心して働き続けることができるでしょう。

 

 しっかりした支援制度がなくても、こんなサービスで乗り切ったという事例が共有されるだけでも、後から同じ境遇になった人の選択肢が増えます。最近、社員のモチベーション向上や離職防止のために”ワイガヤ会”など非公式のコミュニケーションにあえて時間を割いている会社も増えてきています。そのような場で、ライフラインの情報が共有することも安心感の醸成につながります。

 

 楽しんで仕事と家庭の両立ができる、そんな環境づくりをしていきたいですね。