キラッと光ろう★ 組織の力で価値を最大に!

組織の課題を対話で解決する専門家 大坪加奈子

今こそ、メンタルマネジメント強化の時

 先週ついに非常事態宣言が出ました。ビジネスを取り巻く環境もこの一週間で大きく変わった気がします。具体的な数値というより、空気感。言葉に表すなら、拡大路線から一端縮小、自粛へ。コストを抑えて耐え忍ぶ時期に突入という感覚があります。

 

 一方で、商品やサービスの提供という物理的な付加価値の提供はできない状況の企業が多いと思われますが、会社の存在をアピールするにはチャンスかもしれません。商品サービスそのものだけが価値ではなくなってきている昨今、自分の会社の魅力を伝えることも十分な価値提供に当たります。

 

 うちには、こんな創業の歴史があって、今まで天災や経営難でこんな壁があったけれど、こんな風に乗り越えたよとか。今はこういう状況だけれど、今後こんなよい文化を残していきたい、実はうちは、こんなことが得意なんです。とPRすることはできます。

 

 FacebookInstagramYouTubeやKickTokなど言葉とビジュアルで表現できるツールはたくさんあります。特に、商品がある会社は自社の魅力の商品を絵と言葉で表現し、露出の回数を増やすことで、人々の頭に残りやすくなります。テレワークの今だからこそ、力を入れられることでしょう。

 

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、今日は改めて心理や感情コントロール

ついて書き留めたいと思います。WHOは現在の状況をパンデミックと言っていますが、自分自身の生活を振り返るとインフォデミックに近い状況でもあるということを感じます。

 

 明らかにデマというような情報は流すことができますが、若年者や罹患者でなくても重症化の可能性があり、死亡例もあるという情報はニュースで大きく報道されがちです。そういう情報に出会ったとき、じゃいつも以上に自分ができること、手洗いうがい等除菌を徹底しようという思いにいたりますが、同時に不安を覚えていることも確かです。この心配、不安というものは感情であり、これが前向きに物事を捉えられるか否かの分かれ道になります。

 

これは実は社会生活の色々な場面で遭遇することで、少し前に流行ったアンガーマネジメントの基本的な考え方と精通します。基本的な心理構造として、

 

事実 → 評価(捉え方) →感情(結果)

 

という流れがあります。同じ事実でも人により捉え方が違うから受け止め方が異なるということになります。この捉え方の時点で、負の妄想をしてしまうと、過剰な不安が結果として襲ってくることになります。これがいたるところで起こると、インフォデミックにつながります。一方で、この捉え方を正の妄想に変えてみると、結果の感情は変わります。

 

例えば

「若年層でも重症化した事例がある」

→「確率としては非常に少ない。除菌や三密回避などの自分ができることはあるが、それ以上のことはできない。」

→「できることを徹底してやろう」

という前向きな結論にいきます。

 

 不確定要素が多い現在の状況においては、この捉え方をプラスの方向に持っていくこと。さらにリスクがどの程度なのか、比率や確率をみながら、正の結論に持っていくことが大切だと感じています。

 

 不安や心配といった感情だけではなく、怒りや悲しみ、喜びという感情においても同じことが言えます。アンガーマネジメントの世界では、怒りの背後には、心配や不安、辛さや執念や執着があり、「こうあるべき」という根強い考え方があると言われています。べきが理想であるとすると、「べき」と「現状」のギャップが問題として認識されるわけです。そのギャップが論理的に整理・解釈できていない時に、怒りの感情が現れます。

 

 この心理感情コントロールには、もう私は完全にできるようになった!というゴールはないと思いますが、日々鍛錬、感情が高まる状況にきたら、冷静・客観視を試みて、何度もトライしていきたいと思います。

 

 皆さんはどうですか?感情が高まった時、どのように対処していますか?

 

 会社の実務遂行の場では、なかなか話しにくいことではありますが、メンタルマネジメントが重要視される昨今、社員同士がお互いの思考の癖を知っておくと、仕事も進めやすいのではないでしょうか。